病院訪問‐岩槻南病院
岩槻南病院に行ってきました!
平成29年4月13日(木)、岩槻南病院に竹並先生と行ってきました。
岩槻南病院は、東武アーバンパークライン岩槻駅から車で15分ほどの住宅地にあります。
病床数は30床、透析ベッド50床の循環器と人工透析の専門病院です。(2022年8月にリニューアルしました。)
病院は1977年5月に人工透析専門施設として設立され、2004年4月に循環器病棟が併設されました。心臓カテ一テル検査・治療については24時間365日対応し、岩槻区で唯一心臓カテーテルが行える病院として、地域の循環器救急医療を担っています。
日本循環器学会認定循環器専門医研修関連施設として、また丸山理事長・病院長は帝京大学医学部医学教育センター臨床教授として、医学生や若手医師の教育にも力を入れています。
理事長の丸山泰幸先生にお話を伺いました。
女性医師の状況について
現在、当院の常勤医師は7名で男性6名、女性1名です。
非常勤医師は毎週外来にあたっている18名のうち女性医師は5名います。それぞれ、循環器、血液内科、リウマチ・膠原病、形成外科と専門は様々で幅広い診療を担っていただいています。皆さん優秀でぜひ長く勤めてほしいと思っています。
院内保育所(ハッピー保育室)について
※2023年1月現在、院内保育室は一時閉所しています。
当院の院内保育室は、病院から車で5分程度の住宅地にあります。
妊娠、出産を機に退職するという職員がほぼいなくなり、ほとんどが育休明けに業務に復帰しています。職員の離職防止にとても役立っています。
業務時間の設定も比較的緩やかに対応するようにしており、働く女性を出来る限り支援するようにしています。
定員は10名で、定期的に利用している人が6名、不定期の利用が4名です。利用しているのは看護師8名、ME1名となっており、特に職種による制限は設けておりません。女性医師で子育てをしている方はいないので、現在、院内保育所を利用している女性医師はいませんが、医師の利用も可能です。女性医師で子どもさんがいる人も、同じように利用してもらいたいと思います。
院内保育所があるから、当院で働いてくれるという人がいますので、人材確保のためにも必須の施設と思っています。病院と少し離れていますので、今後は病院と同じ敷地内に作る計画もあり、24時間保育も行って夜勤の職員にも利用してもらいたいと考えています。
すべての職員が働きやすい環境を整えたいと考え、埼玉県が推奨する「多様な働き方実践企業」の「シルバー」にも認定されています。
「多様な働き方実践企業」とは
仕事と子育て等の両立を支援するため、短時間勤務やフレックスタイムなど、複数の働き方を実践している企業等を県が認定するものです。
県は基準を満たす企業等を認定(シルバー、ゴールド、プラチナなどの認定区分がある)、働きやすい会社として、ホームページ等で広く紹介しています。→埼玉県のホームページ(外部リンク)へ
心臓リハビリにダンササイズを取り入れています
~ダンササイズ:ダンスとエクササイズを合わせたもの~
当院では心臓リハビリを積極的に行っています。心臓リハビリを行っている医療機関は当院にて心リハ開始時には、大学病院含め全国で20%程度、一般病院においては5~10%と1割にも満たないほどでした。狭心症や心筋梗塞の患者さんに対して、運動療法が心疾患の再発予防に繋がるということを科学的に証明している論文は多数あり、さらに生命予後の改善をも認められています。また、薬物療法よりも効果的であるという認識が徐々に普及しつつある段階です。つまり、継続的に運動することによって健康寿命の延伸と生命予後の延伸を望めるということで、そこに力を入れています。
当院の心臓リハビリを立ち上げて丸1年が経った2015年の秋、岩槻区で例年行っている産業祭が開催されました。その年は、岩槻市がさいたま市に合併して10周年を迎え、記念イベントとして、ダンサーのSAMさんを招待し、健康ダンスというダンスエクササイズを広い陸上競技場で行ってもらいました。そのダンスはお祭りの参加者を対象に1時間半ほどのイベントでしたが、子どもからお年寄りまで、実にたくさんの方々が楽しそうに踊っていました。
心臓リハビリには急性期・回復期・維持期といった時期的区分があり、回復期が終了するまでの150日間は保険診療で受けられます。ところが維持期になると、患者さん自身で、例えば「スポーツジムに通って運動を継続」「近所や公園でのウォーキング」というように運動療法を継続してもらうことになります。しかしながら、保険診療期間を終了したので心臓リハビリは終わりですというのは、やや無責任な感じをずっと持ち続けており、当院でも維持期の患者さんたちに新たに運動が継続できる場所やプログラムを作れないかと、病院として模索していたところでした。
ちょうどその頃に、産業祭の会場でSAMさんのダンスに参加し、他の参加者の方々の様子を見て、「このダンスエクササイズは心臓リハビリにも使えるのではないか」と率直に感じました。その2ヶ月後に彼に会った時に、その心臓リハビリ向けのダンスについて相談させて頂いたところ、SAMさんも「今までは若い世代にダンスを普及させてきた。今後は高齢の方々向けのダンスもしっかり作っていきたい。ダンスを通じて、健康寿命の増進や社会貢献、地元への恩返しをしたい」という熱い想いがあることが分かり意気投合しました。そのようなきっかけで、2016年1月からこの取り組みが開始されました。
次に、実際にSAMさんが考案してくれたダンスが、どれくらいの運動強度(運動負荷)であるのかを、維持期の心リハの患者さんに協力してもらい検証したところ、4METs(メッツ)※1くらいの運動強度であることが分かりました。4METsというのはラジオ体操第一や太極拳と同じくらいの運動強度であることになります。それに関しては、論文として臨床検査の英文誌に投稿し受理されています。
この科学的なエビデンスによって、ダンスエクササイズを維持期の高齢の心疾患患者さんでも安全にかつ継続的に行える可能性が示唆されたことになります。今後は、このダンスエクササイズを継続的に行うことによる効果について、当院に加えて帝京大学医学部附属病院の協力も得ながら、今現在も研究は進められています。
本邦では、ダンスを運動療法として医学的な効果を検証している研究は少ないと思います。通常の運動療法では、例えばトレッドミル※2を使用することで、歩く速さがどの程度で、的確に運動強度を定量化しやすいことが利点であり、検証された様々な効果についても信憑性は高いわけです。ダンスでは、一人一人の運動強度の平均的なデータは4METsと言っても、運動ができる人、できない人でその人なりに調整することが可能ですので定量化することはやや難しいかもしれません。しかしながら、多少の運動能力に差があったとしても本人の動ける範囲で楽しむことができ、継続できるという点が特徴的だと思います。
今後、このダンスを継続的に行うことによってロコモティブシンドロームの予防や心疾患の二次予防、生活習慣病に関わる血圧やコレステロールを下げる効果、さらには脳の認知機能の改善に繋がるなど、有酸素運動の効果と同等の結果が出ることを期待しています。
また、2016年4月からはSAMさんと当院による共催で高齢の方々向けのダンスレッスンを開催しています。SAMさんが直々に行うレッスンは大変好評を頂き、2023年1月現在での開催数は58回目となり人気のイベントになっています。昨今のコロナ禍によって外出機会が減ってしまっている高齢者の方々にコミュニティーへの参加機会の提供と、さらに自宅でも楽しく継続できるダンスということで受け入れられていると思いますので、今後も継続していきたいと考えています。
※1(日常の活動・運動を行った時に安静状態の何倍の代謝(カロリー消費)に相当するかを表す運動強度の単位)
※2(ウォーキングマシン)
若い医師を育てる
当院では、心肺蘇生の講習、日本救急医学会認定のICLSコースを年に2回行っています。会場がなかなか借りられなくて困っておりましたが、最近では丸山記念総合病院が水曜日はお休みなので、そちらの会議室を使わせていただいています。2022年にリニューアルし、当院でも小規模であれば開催可能となりました。
また岩槻には主に新患の救急を受入れる病院が、丸山記念総合病院と岩槻南病院しかないのですが、当院にはベッドが30床と少ない為、多くの救急患者を受け入れてしまうと本当に当院が診なければいけない心筋梗塞などの循環器救急患者さんを診られなくなってしまう場合がありますが、CPA(心肺停止)などの患者さんは年間で60~80件程度受け入れています。
若い医師にこの病院に対して魅力を感じてもらうためには、どんどん検査をやってたくさん経験を積んでもらい、何かあったときには勿論こちらが責任を取って、そういう施設だと分かってもらうことだと思います。たくさんの検査をやらせてもらえて経験を積むことができる施設だということが、若い医師のやる気に繋がっていると思います。
最近、循環器を標榜するクリニックが増えましたが、そういうところからの紹介も多くあります。大学病院を紹介する前の段階の施設なのかもしれないです。大学病院ではどうしても待ち時間が長く、検査を予約して、結果を聞きに行って、最低でも3、4回は行かなければなりません。
我々は、なるべく1回の来院である程度の診断をし、治療方針を決定するようにして、患者さんへの負担をかけないように、大学病院などとの差を打ち出しています。カテーテルの技術でも大学病院は若い医師がいますから、我々はある程度経験を積んだ専門医で、専門に特化し学会活動も行い、そうしたアピールも医療者側にしっかりしていかなければならないと思っています。
院内保育室を見学させていただきました
※2017年4月当時の記事であり現在院内保育室は一時閉所しています。
院内保育所の責任者にお話を伺いました。
一般の戸建て住宅を1軒借りて、院内保育所として利用しています。こちらができて、丸6年になりますが、それ以前はありませんでした。病院の直営ではなく委託で、ずっと同じ業者で保育士も長くやっている人がほとんどです。
今、お預かりしているのは1歳児だけで、定員は10名、0歳児から2歳児まで満3歳の3月までになります。3歳の春になると別の幼稚園や保育園に行かれますが、そういうお子さんでも、土曜日や春休み、夏休みなどの長期のお休みには、一時利用できるように登録を残しておきます。ですから希望により就学前までは利用できます。
今日お預かりしているお子さんは、4名です。1日の利用が10人までなので、それ以上になるとお断りしなければなりません。利用希望者が多い時には、先着順か、勤務か勤務外かによります。勤務外でも事情によってはお預かりしています。
今のところ医師の利用はありません。昨年、一時利用したいというご希望があったのですが、たまたまお子さんが熱を出してしまい利用されませんでした。非常勤の医師でもご希望があればお預かりいたします。
利用できる職種は看護師、医師、が最優先になります。送迎を誰がするのか、ほとんどがお母さんですが、たまにはお父さんだったり、お祖父ちゃんだったりすることもあります。送迎をする方、みなさんの顔写真をつけて、月決めか一時利用かを登録していただいています。
夜間保育はやっておりません。保育の時間は、朝7時30分から18時30分までですが、ご利用している方の勤務時間に合わせて、8時から17時までとなっています。残業や特別な勤務などには朝7時からと、21時まで対応しています。一番小さいお子さんで、だいたい生後5ヶ月くらいからお預かりしています。早く職場復帰したいと希望される方が多いようです。
こちらでは、基本的にお天気が良いときは散歩などの外遊びを中心にしています。
今日、お預かりしているお子さんで一番大きい子は4月生まれの2歳になりますが、往復2キロくらいのほとんどを歩き通しました。以前も別のお子さんですが、1時間以上のうちの40分くらいを歩き通して、道すがらお花の前で写真を撮ったりしました。部屋の中では、1年中裸足で過ごしています。ただ木の床はとても冷えるので、マットを敷いていただきました。
家にいるだけですと遊びが限られますし、家族だけの関わりになりますが、保育所に来ると子ども同士で刺激を受け、他の子がやることを見て真似したり、大人のやることもよく見ていて覚えたりします。これ、やってねと言わなくても少し大きい子が下の子の面倒を見たりします。
今は皆おむつですが、2歳くらいになるとトイレトレーニングが始まります。ここは普通の民家ですので、子供用のトイレはなく子供用の便座を使っています。卒園する頃には普通の大人用の便器に自分で座って落ちずに用を足せるようになります。踏み台は簡単に上がってしまえる分、返って危ないと考えその代りに必ず保育士が見守るようにしています。
洗面台も普通の高さですので、踏み台に乗って手を洗ったりしています。ですから、お預かりしているお子さん達は、自宅に帰っても同じようにできるようになり、お母さん達の方が驚かれたりします。
コンセントも子どもの手の届くところにありますが、テープなどで覆って「ここは絶対に触っちゃだめ」と繰り返し、繰り返し教え続けます。そうすると子どもはやらなくなります。
私達の会社で別の保育所で働いている保育士との交流もあるのですが、そういう人達からも「こちらの保育所はすごいね」と言ってもらえたりします。お陰様で保護者の方には喜んでいただいています。

